Lou-ism

　セカンドライフの中で流通している武器にはさまざまな種類がありますが、中でもおそらく最も多様な種類が流通してると思われる、コンバットシステム用の近接武器について。

　DCS2やCCS、その派生であるXRPS系の各種CS等、SLの戦闘システムで最も広く採用されているタイプの近接武器(刀剣や格闘など）は、どれもマウスクリック＋W,A,S,Dキーで操作します。

　これらの武器は、基本的にはただの"アニメ再生機"に過ぎません。最低限の機能としては、マウスクリック＋W,A,S,Dキーが押されたときに攻撃アニメーションを再生する、これだけの機能です。(C:SIなどの一部のコンバットシステムには、アニメ再生と同時に物理プリムをRezするものもありますが、あまり一般的ではありません）

　具体的には、装着するとllRequestPermissionsでtake controlとtrigger animationのパーミッションを取り、llTakeControlsでCONTROL_ML_LBUTTON，CONTROL_LBUTTON，CONTROL_FWD，CONTROL_BACK，
CONTROL_ROT_LEFT，CONTROL_LEFT，CONTROL_RIGHT，CONTROL_ROT_RIGHT辺りの操作を監視して、マウス左クリック＋W,A,S,Dが押された場合にアニメーションを再生します。

　但し、銃も併用可能なコンバットシステムではマウスルック中の近接攻撃を無効にしているものが多いです。Brutal Weapon製の近接武器などは、はじめからマウスルック中には攻撃しないようCONTROL_ML_LBUTTON，CONTROL_LEFT，CONTROL_RIGHTのコントロールは取っていないようです。

　ただし、本当に単純にこれらのキーが押されたときにアニメを再生するだけのスクリプトだと、攻撃を連打したときアニメーションの再生が非常にかっこ悪いです。そこは、各メーカー、一回攻撃した後に短時間のスリープを入れたり、様々な工夫されています。

　例えば、「振りかぶる→斬る」というアニメーションだった場合、スリープがなくキャンセルして連続再生される仕様だと、連続攻撃したときに「振りかぶる→振りかぶる→振りかぶる」というアニメになって「全然斬ってないよ！」ということになり、かっこ悪いです(；´∀｀)　そういうメーカーもある…

　スクリプトの中身自体はここに掲載するにはちょっと長いですが…フリーのLSLの作例集などで「Sword fight」スクリプトってゆうのが出回ってます。このスクリプトは攻撃対象にプッシュを加える、など余計な要素も加わってるんですが、改造すれば各種CS対応の武器用スクリプトになります。

　あとは、「余計なエフェクトが無い(ラグ対策)」「アニメーションによるアバターの見た目の座標のずれが大きすぎない」等の基準を満たせば、様々なCS採用RP SIMで認可されることでしょう。

　じゃあ、何故アニメ再生するだけでコンバットシステムのダメージになるのか？
実は、多くの戦闘システムでは近接武器と近接ダメージには、直接関係がありません。

　実際の仕様は、各コンバットシステムでいろいろあると思いますが、わたしの手元にありますオープンソースなコンバットシステムのスクリプトをのぞいてみますと…

　上記の武器のスクリプトと同じように、マウス左クリック＋W,A,S,Dが押された場合にコンバットシステムのスクリプトはllSensorを呼び出してます。そして、スクリプトで既定する範囲内にアバターを検出した場合、専用のチャンネルにメッセージを流します。相手のコンバットシステムの方ではllListenでそのチャンネルを聞いており、メッセージを受け取った場合に「ダメージを受けた」という処理を行うわけです。

　なので、お互いにアクティブ状態のコンバットシステムをつけてさえいれば、武器などもっていなくてもマウス左クリック＋W,A,S,Dで近接ダメージは出てしまうわけです。

　以上の内容はNoRでコンバットシステムのプレーを始めた頃に疑問に思ったことなんですが、もしかしたら同様の疑問をもつ方がいるかもしれし、ここに書いておいてみました(ﾟ∀ﾟ)